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実は儲からない?美容師・美容室のシビアな現実とは

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実は儲からない?美容師・美容室のシビアな現実とは

美容師の年収、皆さんご存知でしょうか。稼げない、とは聞いたことあるけど実際の額はよくわかっていない、という方も多いのではないでしょうか。また、売れっ子と呼ばれている人がどの程度稼いでおり、それはどの程度の人がそうなのかをきちんと把握しておかないと、将来後悔することになりかねません。

夢と理想だけでは現実を生き残ることはできません。きちんと現実を受け止めて計画を立てて生きられるように、美容師の年収と現状についてしっかりと理解しましょう。

1. 美容師の年収

美容師の年収といっても、ひとくくりには言えません。美容師にも階級があるからです。それぞれのレベルごとに見ていきましょう。

1.1 アシスタント期

美容師は免許取得後、サロンに就職してしばらくはアシスタントとして過ごします。この時はお客さんの髪を切ることもさせてもらえず、シャンプーやカラー材の準備を中心に雑用ばかりさせられます。夜にカットモデルやマネキンで地道に練習し、スタイリストになるのを目指してひたすら修業するのですが、その給料はとても低く、手取りは13万円ほどで、低い場所では10万円を切るといいます。このうちから諸経費が引かれ、そして一人暮らしならば家賃や食費を出し、そこからおしゃれのための洋服費なども捻出しなければなりません。

1.2 スタイリスト

アシスタント期の修業を終え、お客さんにカットするのを許されるようになると晴れてスタイリストとなります。しかしスタイリストになったからといって、厳しい給料事情は変わりません。固定給が15万円ほど+歩合給で売上の10%ほど、というのがおおよそのスタイリストの給料の現実です。全国の美容師の平均年収は、284万円です。これがどれほど低いかわかるでしょうか。すべての美容師の平均です。美容師の平均年齢は30歳なので、30歳で月収24万円ということです。新卒の会社員の平均月収が、24万円程度なので一般的な社会人と年収にして10歳差があるのです。しかし30歳にもなれば、家族を養う必要が出てきます。しかし24万円でそのようなことをすれば、貯金はおろか切り詰めてやっとの生活を送ることになるでしょう。

1.3 トップスタイリスト

店で一番のトップスタイリストになると、給料は一段階増えます。固定給が少し上がり、歩合の比率も上がるサロンが多いでしょう。そのため、月収は30万円~と少し余裕を持てるようになります。しかし、年齢によってなれるわけではなく、実績を出していくことでここまで行くことができます。そのため、35歳になって店で最年長のスタイリストになったとしても、技術が伴わなければただのスタイリストとしての給料しか得られないのです。トップスタイリストになるために技術を身につける努力をしなければなりません。

1.4 店長

美容師の定年は、体力的にも40代といわれており、その後は美容関係の指導者・店長などの道をとるか、新たなジャンルの職に転職するかなどの選択肢があります。その中で、店長になった場合を考えましょう。

店長は、独立した場合は経営者と兼任、またはただ経営者と従業員の間をつなぐものとしての役職です。経営者が美容業界出身でない場合は、従業員や商材の在庫の管理も一人で行わなければならなくなることもあります。そのため、場合によっては板挟みになり、また店の経営にも大きな責任を持つ役職ですので、給料はそれなりにあがります。年収は600万~800万円程度、月収にして50万~70万円弱ほどです。これは日本全体の平均年収が400万円であることを考えるとまあまあ高いと言えるでしょう。しかし、店長になるまでの厳しい生活を考えると妥当な額ですし、さらにいうと全員が店長になれるわけではありません。転職の道を探さざるを得なくなる人も多くいるのです。

1.5 オーナー

オーナーは人にもよりますが、年収数千万という人もいます。このような人は多店舗経営を行っている、本当にごく一握りだけです。軌道に乗ったといえるオーナーの年収がだいたい600万~1000万円ほどまでいきます。しかし軌道に乗るのはごく一部のサロンだけであり、今やコンビニより多いサロンは競争が激しく、一年以内にそのおよそ60%が廃業してしまいます。そしてなんと90%の美容室が開業から3年以内に廃業しているといいます。つまり、先ほど述べた年収はおよそ1割のオーナーだけが手に入れることができる、ということはしっかりと覚えておきましょう。

ここまでおおよその美容師の階級について見てきましたが、基本の美容師は低年収であり、高年収を手に入れるためにはそれなりのリスクを冒さなくてはいけなく、最初のうちはどんなにがんばってもあまり稼げないことがわかったでしょうか。

 

2. 美容師の現実

今まで美容師の役職別の給料を見てきましたが、給料以外にも厳しい現実はあります。それらをいくつか紹介します。

2.1 労働環境

近年話題になっているため、ご存知の方も多いでしょうが、日本では「ブラック企業」と呼ばれる企業が多くあります。サービス残業を100時間やらされた、などという話も耳にします。しかし、これらは社員がこのように言っているから問題になっているだけで、実際には社員が訴えない問題企業が多くあるのも事実です。美容室はそのうちの一つといえるでしょう。実際、社員が声を上げない企業は、高給で重労働に見合う対価を得ているものが多いのですが、美容室は違います。美容師は、常に自分の技術を向上するために時間外で自分のために練習を積まなければならない、という暗黙の了解で朝早くから夜遅くまでの労働が当たり前になっていることが多く、それを訴えるという行動に出ることがめったにないのです。さらに、こうした過酷な労働をさせられているにも関わらず、美容師は最初のうちはほぼ最低賃金分しかもらうことができません。

こうした問題をしっかりと受け止めて訴えても、美容業界自体が変わることはなかなかありません。そのため、過酷な状況を抜け出すために独立したり、開業して、そこで失敗してしまうという人が後を絶たないのです。経営の知識や、準備をしっかり行わないで独立する人が多く、そこが簡単に解決できないことも問題です。

2.2 雇用

労働時間や、それに見合う賃金などもなかなか支払われていない美容師ですが、雇用条件でもなかなかに問題があります。例えば、社会保険の整備です。社会保険は、普通の企業ならば入社と同時に会社に加入させられ、会社が半額出してくれるなどの制度があるものですが、個人が運営する美容室などは加入させる義務がないため整備されていないことが多いのです。こうした方が美容室の経費は抑えられますし、経営者としては自身で加入してほしく、こうした現状を招いているのです。

「10分1000円カット」をうたう店が急速に増えたことも、美容室の競争を激化させ、こうした雇用環境を悪化させている原因です。増えすぎたことで競争が激化し、激化した競争の中で経費削減で労働環境が悪化し、そしてそこから逃げるために独立して店舗が増える、という悪循環が起こっています。

現在の美容室業界の労働環境の現状をわかっていただけたでしょうか。

3. まとめ

美容師は、美容学校でたくさん練習をして国家試験を取って就職したら、そこでまたたくさんの修業を積まされてやっとお客さんの髪を切れるようになります。ここまでの段階で利益はほとんど生まれません。世間のサラリーマンはもっともらっているのに、美容師は20代の最後までギリギリの生活を送らなければならないのです。その後も上の役職になるまではいい生活は難しいです。

それなりのサービスを提供していながら、なぜここまで現実はシビアなのでしょうか。一般的なサラリーマンよりは素晴らしいサービスを提供しているのに、と思うでしょう。売上からの給料へのバック率が低すぎることが問題なのです。これを根本的に変えることは美容業界の特色的に厳しいでしょうが、それを変えようという意識をもって取り組むことは大切です。

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