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もう耐えられない…美容師の適性の労働時間とは?

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もう耐えられない…美容師の適性の労働時間とは?

「残業代って支払われるの???」
「ウチはブラックかもしれない。。。」

上記の様な疑問を抱いているスタイリスト、疑問を抱かれているサロンのオーナーは多いと思います。ある調査によると半数以上の美容室が労働基準法を遵守していないという結果があります。この様な状況では、そもそも労働時間に対して何も疑問を抱かなくなる人もいるかもしれません。

労働条件に関しては細く労働基準法で定められています。しかし、コンビニよりも美容室の数が多い中で苛烈な競争が存在する美容業界では、労働時間などに一定のグレーな部分があります。競争を勝ち抜くために、一部で勤務時間外の労働(カット練習や研修会への参加)が当たり前となっています。この様な過酷な環境で体を壊したりして、美容師をやめるスタイリストさんが少なからずいます。

実は、美容師の離職率は非常に高く、入社 1 年目で 45%、3 年目は 72%、5 年目以上は 88%となっています。そこで今回は法律に基づいた美容師の適切な労働時間を紹介します。

1.労働時間について

まずは「労働時間」について知っておきたい基礎的な法律を紹介します。労働時間について労働基準法でかなり詳細に定められてますが、今回は美容師の労働時間に関わる法律に商店を当てていきます。

1.1 法定労働時間

労働基準法第32条では労働時間について下記のように定められております。
「第1項 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時を超えて労働させてはならない。」
「第2項 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日ついて8時間を超えて、労働させてはならない。」

つまり、1週間で40時間、1日に8時間と定められております。法定労働時間を超えた場合は原則として残業代を払わなければなりません。また、1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩があります。ただし、特例措置対象事業場に該当する美容業は、サロンスタッフが10名未満であれば1日に「44時間」労働してもいいと定められております。

たった1週間で4時間なんて小さい違いと思うかもしれませんが、使用者にとって1ヶ月で約16時間分の残業代を支払わなくてよくなります。

1.2 変形労働時間制

「法定労働時間」を考えると「1日8時間、1週40時間」なので、営業時間が09:00〜20:00だから違法だと思う人がいるかもしれません。労働基準法では「法定労働時間」は上記のように制定されていますが、「変形労働時間制」によって、「一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定の労働時間を超えない範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を超えて労働させることができる。」と定められています。

つまり、労働時間を一定の期間(1ヶ月以内が条件)で調整することもでき、1日に8時間を超える労働が可能となります。
変形時間労働性を利用しても法定労働時間を超える場合は、下記の「時間外労働協定」が適用されます。

1.3 時間外労働協定

労働基準法第36条(通称サブロク協定)では、
「労働者は法定労働時間(1日8時間1週40時間)を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場合には、あらかじめ労働組合と使用者で書面による協定を締結しなければならない」と定められています。

つまり、時間外労働(法定労働時間を超えて働く場合や休日にはたらく場合)が発生する場合は必ず行政官庁(労働基準監督署)に届け出をしなければなりません。また、「時間外労働」が発生した場合は、通常の給料に25%上乗せした賃金が支払われます。

2.美容師の勤務時間

さて、上記では一般的な労働時間について説明しましたが、ここでは「美容師」に関する勤務時間について説明します。一般の企業と美容室での「勤務時間」の捉え方(概念)は少し違いが生じます。一般企業に勤める場合は、「定時」が存在し、「定時」を超えた場合は「残業代」が発生します。美容師の場合はどうなるのでしょうか?

美容師にはいわゆる「定時」が存在しません。具体的に言えば定時外(営業時間外)で個人的にカットの練習や掃除、セミナー・研修への参加があります。特にアシスタント時代の数年間は技術向上のために営業時間後にカットやスタイリングの練習が必須になります。先ほど説明した労働基準を理解していると、時間外労働になるので、カットの練習も残業に入るかと思われます。

しかし、どこからどこまでが勤務時間になっているか、定時は何時なのかが明確に定められてないのサロンが多くあります。また、本来ならば雇用契約を結ぶ際に「勤務時間」を銘記しなければなりませんが、実際にはお店の「営業時間」を記載しているサロンが多々あります。「営業時間」とはお客様に対してサロンのオープンからクローズまで時間なので「勤務時間」とは異なります。

従って、勤務時間を明記せずに、営業時間後の練習や掃除等を個人的な時間とみなすことで、言い逃れが可能なギリギリのグレーゾンを保っているのが美容室の現状です。更に、サービス業なので常にお客さんの対応をしなければならず、ほとんど休憩がとれません。労働基準法では、6時間以上労働する場合は45分、8時間以内の場合は1時間の休憩が定められております。

土日や祝日などの忙しい時期には、お客さんが途切れた夕方や営業時間後にやっと昼食を取れるケースも珍しくありません。しっかりと1時間休憩を取れること自体が非常に稀なのです。

3.営業時間後のカット練習

先ほど営業時間後の「カット練習」について触れましたが、ここではもう一歩踏み込んで労働時間について考えていきたいと思います。これまでに説明してきたことを前提に、営業時間後のカット練習についてもう一度深く考えてみましょう。

競争が激しい美容業界では、最新の技術の習得や技術の向上の為に営業時間外のカット練習は必須と言っても過言ではありません。特に、アシスタント時代には基礎的なスキルを身につけるだけでなく、自己啓発的な練習やセミナー・交流会への参加が自己成長につながります。

自発的に自身のスキルの研鑽の為にプライベートな時間を割いているケースが多いのではないでしょうか。こういう状況では、原則として使用者(オーナー)の指揮命令が汲んでいるとは言えず、自発的な取り組みとみなされ「労働時間」とはみなされません。

また、オーナーにしてみれば、場所を提供し水道代や光熱費を支払っている立場という側面もあるので、場合によっては営業時間後のカット練習などは「場所代」をスタッフが支払わなければならない可能性があります。

しかし、表面的には研修やセミナー、カットの練習が自己啓発的であったとしても、不参加者に何らかしらの不利益が与えられる等(例:減給など)といおうことが明らかに理解されており、間接的に参加を強要される場合には、使用者(オーナー)の指揮命令が汲んでいると考えられます。つまり、この状況下においては営業時間外のカット練習は「残業」の対象になります。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は法律的に適正な労働時間について解説しました。原則的には労働基準法で、1日8時間、1週間で40時間(スタッフが10名以下の場合は44時間)が適切な労働時間です。ただ、現状としてはカットの練習やセミナーへの参加などは、勤務時間が曖昧になっているので、グレーゾーンとなっています。

ただし、使用者の意志が汲み取れる場合には「残業」扱いになります。法律の知識を踏まえた上で、使用者(オーナー)も労働者(アシスタントやスタイリストなど)もお互い納得のいく環境で働けるのが理想です。

オーナーの立場としては、スタイリストやアシスタントがモチベーションを高くして働いてくれる環境を作ることが重要だと思います。この記事が少しでもオーナーやスタイリストさんの役に立てれば幸甚です。

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